海洋マイクロプラスチックスの実に28%がタイヤが摩耗して生じる“タイヤかす“と言われています。タイヤかすは微粉ですから、我々の目に付くことは稀で、日常生活のなかで意識させられることはほとんどないのですが、実は物凄い量のタイヤかすが路面との摩擦で発生しているのです。
大型トラックのタイヤは1年走れば、10kg以上も目減りすると言われています。「へぇ、そんなに!」と思われるかも知れませんが、幅30cm、厚さ1.2cm、長さ330cmのゴムシートを思い浮かべてみて下さい。これが1年間に摩耗して消えて行くゴムの量です。
それがタイヤ1本分ですから、10輪の大型トラックなら軽く100kgを超えます。現在、日本には大型トラックが約230万台登録されていますから、皆が皆100kgずつ排出したなら、その総量は23万トン。石原慎太郎さんがまだご存命なら、今度はタイヤかすが詰まった500ccのペットボトルをかざして、「大型トラックからだけで、こんなのが4億6千万本も出てるんだよ。」、「これは何とかしないといけないんじゃないか!」と言われるのではないでしょうか?
しかし、現在の我々の生活クオリティの多くの部分が、トラック輸送の利便性に支えられているのは自明で、タイヤを大量に消費するトラック輸送を減らさなければならないなどと言うつもりはありません。逆に利便性の高いトラック輸送だからこそ、皆で上手に利用し続けられるように工夫をしていくことが大切だと思います。
排ガス規制然り、タイヤの寿命延長策・燃費改善策も然り。タイヤのバランスを取ることで、タイヤの寿命が30%延びるということは、タイヤかすが30%減るということです。バランス安定材をタイヤに入れるだけで、タイヤの寿命が延び、燃料費も削減できて、尚且つSDGsにもつながる提案です。